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お知らせ 坐骨神経痛 慢性腰痛 股関節の痛み・変形性股関節症など 膝痛・変形性膝関節症状など

仰向けに寝るのが辛い人へ

【仰向けに寝るのが辛い】
 

 仰向けだと腰が痛くて眠れない…そんな悩みを抱えている人はかなり多いようです。就寝中に身体を凝らせないためには、できるだけ寝返りを打ったほうが良いわけですが、仰向けの時間が極端に短いのは辛いものです。横向きに寝ているときは、腰が捩れていたり頭部に腕が圧迫されていたりするため、仰向けで寝ている時間も必要です。

 

 【仰向けで腰が痛くなる理由】

 仰向けが苦手な人に共通していることは、床と膝裏の間にすっぽりと手が入ってしまうくらいのスペースが空いていることです。さらに、つま先が過度に外に開いて、ガニ股になっています。このような状態では太ももの筋肉(大腿直筋)に引っ張られ、骨盤の前傾角度が強まります。その結果、腰椎が過度に反って腰部の筋肉が持続的に縮まった状態になり、仰向けだと痛みを感じるようになるのです。

 「腰が悪いから膝を伸ばして寝られない」と誤解している人が多いようですが、実際のところ、太ももの筋肉や腹部の深層筋(腸腰筋=ちょうようきん)が常態的に短縮していることが原因といえます。

膝裏が床から浮いていてガニ股になっている

 【気づかれない太ももの機能不全】

 太ももの筋肉は、痛みを感じるセンサーが頚部や腰部に比べて圧倒的に少ないため、太ももの不調を訴える人の数はごく少数です。

 しかしながら、触診してみると瘢痕組織があったりバンド状に固まっていることが多いのです。

 そして、これがトリガーとなって腰痛や股関節のつまり感、膝痛を起こしているケースが散見されます。ですから、じっくりと太ももの前面や外側をほぐして機能回復を図ると骨盤の前傾角が最適化され、上記のような症状が大きく改善されることがあります。いわんや、脚を真っ直ぐに伸ばして寝られるようになります。

すねや太ももの前面&外側の強張りをリリースした後

【下肢の筋膜リリースに時間をかける理由】

 多くの人は、身体の背面を触られると気持ち良いと感じるものですが、身体の前面を触れられると痛みを感じたりくすぐったさを感じたりするるものです。一般的な治療院やマッサージ屋さんに行くと、たいていの場合、うつ伏せに寝かされて身体の背面を集中的に施術されます。そうする理由は、お客さんからのリクエストが首や肩、背中、腰など背面に偏っているからであり、それに応えた方が顧客満足度が高まるからです。

 けれども、多くの不調の原因は身体の前面に潜んでいるため、背面のケアだけでは根本的な解決に至らない場合が多いのです。ひるがえすと、前面の問題が改善できたら背面の問題が自ずと改善されていくわけです。だからあえて私は、患者さんたちから滅多に要求されることのない下肢や上肢の深部組織をリリースすることに時間をかけています。普段触れられ慣れていないため、ときには顔をしかめるほどの痛みがあったとしても、その先に待っている状態の変化に多くの患者さんが納得されています。

 仰向けになれずにお困りの方は、是非とも太ももの前面をストレッチポールやローラーなどを活用して緩めてみてください。圧迫して筋肉の鬱血を緩和させた後に太ももの前面をストレッチすれば、さらに効果が高まります。