期間限定ウェルネスプログラム
ペニンシュラホテルとお仕事をご一緒するようになってから、早いもので3年が経ちました。これまでザ・ペニンシュラ スパ&ウェルネスにおいて、ウェルネスプログラムや各種イベントなどで講師を務めてきました。現在は「期間限定ウェルネスプログラム」を担当しています。コースは120分と180分
「180分なんて長くない？」と思う方もいるかも知れません。
しかし、慢性的な痛みや身体の機能の低下など、深刻な身体の悩みを抱えている方の根本原因を見極め、その場で「違い」と「結果」を実感していただくためには、むしろ時間が足りないと感じることも少なくありません。
ホテルという非日常の空間で、なおかつ結果にコミットする施術を行うのは、決して簡単ではありません。それでも、集中力がいつも以上に高まり、アドレナリンが分泌されていわゆるゾーン（zone）に入る瞬間が何度か訪れます。
海外からの患者さん
先日は、アメリカからご旅行で滞在中の女性ゲストを担当しました。
その方は、過去に開頭手術を受けて以降、左下肢全体に強い痛みが出現し、椅子に長い時間座っていられないのが悩みでした。これまでに様々なタイプの治療や施術を受けてきたものの、ほとんど改善が見られなかったそうです。
「手術をする前に私は体力はもあってタフだったのよ。今の自分の身体はすごく残念だ」と繰り返し話されていました。
「過去の自分と比較するよりも、一旦0ベースになって、わずかな進歩や改善があったときは、自分を褒めてあげる事が長続きする秘訣です」とアドバイスをしました。
対面した時は少々ナーバスになっている感じでしたが、施術が進むに連れてお互いに打ち解けていきました。病巣と思われる部位の深部組織に触れる度に、深いため息と「まさに！そこです！」と反応が何度も返ってきました。
施術後、座ったり歩いたりしてもらい、感覚と動きの質を確認してもらったところ、「信じられない！さっきと全然違うわ。別に脚みたいに軽い！Fabulous!」と目を潤ませて感動されていました。
スパの支配人からは、以下のメッセージをいただきました。
「先日の宿泊ゲストからは、受付にもSo intense and wonderful！とコメントがあったようです。お体が即座に楽になり、とても喜ばれた様子でした」
こういう瞬間のために
私自身、これまでに多くの国を旅してきましたが、海外のラグジュアリーなホテルで＂身体の悩みを本気で改善したい”という発想はありませんでした。だからこそ、この期間限定ウェルネスプログラムを通じて確かな結果を積み重ね、ホテルスパに対するイメージや評価そのものを高めることに貢献できたらと考えています。
施術後、今回担当させていただいた女性が、両手で私の手を強く握り、心の奥く深くから感謝の言葉を伝えて下さったあの表情は、これから先も忘れることはないでしょう。
この経験を励みにして精進してまいります。