前回は、首の後ろの皮膚に横ジワが入っていたら、頚椎が地滑りを起こしているというお話をしました。
口を閉じて、舌先を上の歯の根元につけて、軽くアゴを引いた姿勢を心がけていれば、頚椎のすべり症や頚肩部の凝りの予防・改善になります。
さて、今回は首の関節に負担をかけないうなずき方を紹介します。
首・肩こりの原因になると分かっていても、スマホを操作しているときや読書をしているときには、下を向かざるを得ませんね。
下の画像は、アゴを突き出した状態で、下を向いている人の悪い例です。
ほとんどの方が、スマホを操作しているとき、このような頭が垂れ下がった姿勢になっていて、知らないうちに首に大きなストレスをかけているのです。
アゴが突き出た状態では、頚椎を支える靭帯が弛緩しているので、ストレスが頚椎の椎間関節に集中してしまうのです。
関節に過度なストレスがかかると、周辺の筋肉に痛みが放散されます。
先述した通り、舌を歯に押し当てて、アゴ先を胸骨に近づけてから下を向く(下の画像)と、頚椎の靭帯(棘間、棘上靭帯)による支持力が得られて、頚椎の関節にかかるせん断力(滑る力)が大幅に軽減されます。
同じ下を向く動作でも、うなずかずに下を向いた場合と、うなずいてから下を向いた場合では、首にかかる負担が全く違うのです。
実際に、2つの動作の違いを実感するために、首の後ろを触ってみると、頚椎のカーブが違っているのがわかるはずです。
ぜひ、うなずいてアゴを胸骨に近づけてから、下を向くことを癖づけてみて下さい。