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お知らせ 伊藤和磨ブログ 肩甲骨周辺や背中の痛み 肩関節の痛みと機能障害 首肩の痛みや痺れ

五十肩

 腕の痛みで睡眠に支障

 五十肩で右肩が上がらない70代の前半の新患さん。

 歩き方も歩幅が小さくトボトボ。認知症の研究の第一人者だそうです。肩の痛みで腕を挙げられず、睡眠も妨げられているとのこと。腕の筋肉が拘縮すると安静時でも疼いたりしびれたりすることがあり、睡眠障害に陥ることも珍しくありません。

 

 四十肩・五十肩の特徴

 四十肩や五十肩の特徴は、腕を頭上にあげたり後ろに伸ばしたりすると、肩関節に激痛が走ることです。病院に行くと肩関節にステロイド注射をされる場合もありますが、相当腕の良い医師でない限り、鎮痛効果が持続することは期待できません。

 なぜなら、この症状の根本原因は、肩関節(正確には肩甲上腕関節)の炎症や腱板の断裂だけではないからです。姿勢のマネジメントを指導して脊柱の湾曲を正常化し、肩甲骨の位置を最適化しない限り根本的な改善には至りません。同時に呼吸の仕方を見直して胸郭の形状を修正することも不可欠です。

 この症状の多くが1年あまりすると炎症が治り、自然と痛みが軽減していくのですが、肩関節の可動性と可動域は共に制限されたままです。これは治ったのではなく、ただ痛みが治っただけです。ですから、なにかの弾みで肩関節に負荷がかかると怪我をしたり、症状が再発したりするリスクが高いのです。

 痛みを堪えた先に

 深部の筋肉がビーフジャーキーのように硬く縮まっている部位に手でアプローチをすると、顔をしかめてしまうほどの鈍痛が走ります。女性と比べて男性は痛みに弱く、ちょっとの刺激でもヒイヒイいう人が大勢います。深部筋が緩んで循環を改善するまでの間はしんどいですが、スロー耐えた先には大幅な改善が期待できます。

  同じような症状で悩んでいる方をたくさん診てきましたが、 この患者さんのように1回のセッションでの肩と腕の痛みの軽減だけでなく、可動域も大きく改善します。同時に姿勢や歩き方も改善しています。

右は術後 曲がっていた肘関節がストレートになり、頭部が本来の位置に近づく

右術後: 肘が伸びて脇のスペースがなくなる。本来の肩幅に戻り、頚肩部のストレスが軽減
 
術前: 肩甲骨の内縁が筋肉の凝りによって盛り上がっている
 
術後:循環障害が改善され左右差が解消

施術前: 腕を挙げると耳よりも前に。途中で肘が曲がってしまう

術後:腕を挙げると耳の真横に

術後:肘を伸ばした状態で挙げられるように