一般的には、加齢と共に肩関節の拘縮が進行し、可動域と安定性が低下していきます。関節の可動制限があっても、痛みを伴わないケースもあります。
しかし、肩甲帯と骨盤帯の機能不全(可動域制限含む)は、脊柱と胸郭のアライメント健全性に悪影響を及ぼし、頚部痛や腰痛などを誘因になります。
抜本的な改善には、呼吸パターンへの介入と同時に、四肢の筋緊張を緩和して循環を促すことが肝要です。指先から体幹部に向かって、軟部組織を丁寧に緩めていくと、手関節ー肘関節ー肩関節ーの可動域が著しく改善されます。
呼吸パターンの変化により、胸郭の形状と肩甲骨の位置が正常化されると、肩甲帯における骨格筋の協調性と連動性が改善され、腕を挙げたときの頭部の位置も変わります。
また、副交感神経が活性して全身の筋緊張が緩和されるため、首と肩関節の問題のみならず、腰痛症においても大幅な改善が期待できます。病院では、シニアの関節拘縮は難治とされてきたが、既存のアプローチに上記の方法などを付加すれば、諦められてきた関節の機能不全の治癒率が高まるでしょう。