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【座力の教科書 第9話】ランバーサポートは、本当に腰を支えているのか?

【座力の教科書 第9話】

寄り掛かる姿勢こそ、身体に悪い姿勢

1. ランバーサポートは必要なのか

 高級オフィスチェアには、ランバーサポート、ヘッドレスト、肘掛け、リクライニングなど、数多くの機能が備わっています。高機能な椅子は、座る人を甘やかしてくれます。

 しかしながら、背もたれや肘掛けにもた掛かった姿勢こそが、ストレートネックや椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、坐骨神経痛などを罹患リスクを引き上げているのです。

 多くのオフィスチェアには、ランバーサポートが装備されています。高価な椅子ほど、背もたれに工夫が凝らされているといっても過言ではないでしょう。

 しかしながら、ランバーサポートは本当に必要な機能なのでしょうか。はじめからランバーサポートありきで、これに頼らせる椅子の設計に否定的な考えをもっています。ランバーサポートを活かすには、目一杯座面の奥にお尻を差し込む必要があります。座面に浅く座わるとランバーサポートに腰部が当たらず、腰椎にアーチができないからです。

 けれども、ランバーサポートを活かそうとして深く座ると、太ももの自由がなくなり、骨盤が後傾してしまいます。また、大腿部全体が座面に圧迫されて、坐骨神経や大腿動脈、静脈が押し潰されます。これによって生じる下肢の循環障害のリスクを看過することはできません。

 短時間であればランバーサポートに腰を這わせられても、しばらくすると腰部が前に押されて、お尻がズルズルと前に滑ってしまいます。

 椅子やシートのパンフレットには、背もたれに背骨を這わせるようにして座っているモデルの写真が掲載されているものですが、個人的にはあれを一種の瞬間芸だと思っています。

Screenshot

 座面だけで骨盤を立たせる

 前話では、自転車や鞍に跨ると自然と骨盤が立つお話をしました。「身体に良い椅子」について語るとき、背もたれや肘掛けにもたれることを前提としたモデルは、決して優れた椅子とは言えません。

 身体に良い椅子とは、座面だけで骨盤が立つように設計された椅子のことだと、私は考えています。次回は、なぜかマジョリティにならない鞍型=サドルチェアやシートについてお話したいと思います。