MARO'S
お知らせ 症例 慢性腰痛 椎間板ヘルニア 坐骨神経痛

腰椎固定術後に再発した患者さん

激痛で歩けない

 脚の痺れと激痛に耐えかね、椎間板ヘルニアを除去して腰椎をボルトで固定する手術を受けた患者さんの症例をご紹介します。

初診で起きた変化

https://youtu.be/jdWgaqNlPLA?si=vucCsBcQcrxlDYpg

 腰椎固定術を受けた後。2ヶ月も経たないうちに左脚の激痛と痺れが再発して歩行が困難に。執刀した先生に相談したところ「ヘルニアはなくなっているし、椎間関節は安定しています。なんで痛いんでしょうね」という返答のみだったそうです。

 腰痛がなかたった頃、一緒にダンス教室に通われていたご友人が変わり果てた姿を見て気の毒に思い、マロッズに連れて来られました。(それまではカイロに通院)

 初診では、左脚の激痛のために真っ直ぐ立つことができず、足を引きずって歩いていました。軽く大腿部に触れただけでも悶絶する状態で、痛みに対する感覚が鋭敏になっていました。触診で明らかになったことは、病巣は腰椎ではないということです。大腿部の外側にあったバンド状の塊に触れると、何度でも症状を誘発されました。

病巣は腰でなく大腿部に

 はじめは軽く触れるだけで顔をしかめて痛がっていましたが、塊がほぐれて小さくなるにつれて心身の緊張が緩和されていき、最終的には強めに圧迫してもなにも感じなくなりました。脚全体にあった痺れと激痛が消失し、表情も一気に明るくなっていき、感動してご友人と一緒に涙を流していました。

「この先、どうやって生きていこうかと悩んでいたんですが…本当に嬉しいです。ただ、ボルトで固定してしまった事実は消せないんですよね」

 このようなケースは決して珍しいことではなく、昔から私が目の当たりにしてきた日常的な光景といえます。つまり、それだけ無意味とも言える手術を受けられた患者さんが大勢いるということです。

 この患者さんの場合、手術が失敗したという事でありません。手術自体は成功しているのでしょう。しかしながら、画像の所見だけで病巣だと決めつけた医師の判断が間違っていた可能性が高いと言えます。つまり、腰椎を固定する手術など必要なかったわけです。

無意味で有害な手術

 なぜ、このようなことが頻繁に起きるのでしょうか。答えはシンプルです。患者が姿勢マネジメント能力や歩行、日常動作フォームをはじめ、画像検査の結果をベースに、徒手で病巣を探す整形外科医がほとんどいないからです。

 著名な大学病院では、一日あたり数十人の患者を診察するので、触診に十分な時間を割けないのは仕方がないことです。それならが、その役目を理学療法士に託せば良いと思うのですが、そういう仕組みになっている医療機関は稀でしょう。

 手術をしている最中の様子を知らない人は、手術を簡単に考えるきらいがあります。「最後は手術するしかないね」といった具合に。そういう人に手術の動画を見せると顔色が変わります。

「これは、ほぼ大工仕事ですね。こんなに神経や血管を切ってしまったら、元の状態に戻るんですか?」すべての感覚が元通りになることはありません。そして、手術をすれば治るというものでもないのです。

 病院側からすれば手術をすれば儲かります。保存療法よりも遥かに儲かるからこそ、手術を安易に勧めてくる医師や他に治す手立てがないような言い方をする医師がたくさんいるのです。

 25年近く私がずっとやってきたことは、無意味で有害な手術を受けた人やこれから予定している患者さんたちを一人でも助けることでした。

 

本質的な原因は脳に刻まれた身体の使い方

 どの部位の問題であろうとも、本質的な原因は患部ではなく、脳に刷り込まれている誤った身体の使い方にあります。ですから、それを修正しない限りリスクはなくなりません。この女性の患者さんも、生涯再発させないために、最適な着座姿勢、腹圧の維持するスキル、屈み方やしゃがみ方、歩き方を身につけていきます。